◇きもの用語辞典

あ行

藍朧(あいおぼろ)

浅葱地に紺と白の模様が入り混じったにぎやかな感じの物。地白の型付けと地染まりの型付けを併用した染め方である。

間黄(あいき)

江戸時代に武家の女性が内掛けの下に着た小袖をいう。

間着(あいぎ)

江戸時代に武家の女性が打掛の下に着た小袖。

合着(あいぎ)

冬と夏との中間、すなわち春、秋のころに着るもののことで、厚地の着尺地のひとえ、ウール地とひとえ、ひとえ羽織、レースの半ゴート、白っぽい色彩の袷(あわせ)長着などである。

合い印(あいじるし)

二枚以上の布を縫い合わせるとき、布がずれないようにつける印のこと。

藍染め(あいぞめ)

藍甕(あいがめ)の中で糸あるいは布、紙などを藍の液につけて操作し、甕覗(かめのぞき)から紺までの色に染めること、および染めた品。操作の方法は複数あるが、甕や桶の中で水を加え、発酵、還元させるのがおもな技法。30度前後の温度を保たせて染色することが多い。

青摺衣(あおずりのころも)

宮中の神事の際に、舞人が着用する「祭服」のこと。「斎服」とも、「小忌」ともいう。

茜(あかね)

植物染料の一つ。日本で最も古い赤色染料であり、他の赤色染料とともに重要な染料の一つである。

明き(あき)

衣服の一部分として、前、後ろ中心、脇、肩、袖口、裾口などにあけられているもので、着脱を容易にし、着装時の身体の動きに適合させる。体温の調節のためのものや、装飾的なものもある。

秋草文(あきくさもん)

植物紋様の一種。秋の草花の咲き乱れるありさまを描いた紋様。清涼感と気品の展において、格式ある紋様として愛好されている。

灰汁(あく)

木灰あるいは藁灰に水を注ぎ、笊で濾過したアルカリ性の液の上澄みをいう。精練あるいは媒染剤として用いる。

揚げ(あげ)

衣服の長さの余分を、将来の為に備えて縫いあげておくこと。

袙(あこめ)

装束の表着(うわぎ)と単(ひとえ)の間にこめて着る衣の略称

麻(あさ)

植物性繊維。大麻、苧麻(ちょま)、亜麻、黄麻などの皮の部分を使用するものと、葉の部分を使用するマニラ麻類とがある。現在きものに用いられているのは苧麻がほとんどである。麻は、わが国はもとより、世界中で最も古くから用いられた繊維で、木綿が普及する以前の庶民の衣服は四季を通して麻であった。手触りは硬いが肌触りがよく、丈夫で、水の吸収と発散が早いので、汗をかきやすい盛夏用のきものの織物原料として「小千谷縮」「越後上布」「近江上布」「能登上布」「宮古上布」などの上布類や、麻の襦袢などに用いられている。

麻織物(あさおりもの)

大麻、亜麻、苧麻などの繊維で織った織物。現在では主に苧麻が盛夏用のきものに用いられている。細い麻糸を用いて平織にした上等の麻布は、上布という。

浅沓(あさぐつ)

装束に用いられる履物の一種。公卿以下の男たちが履くもので、最初は革製であったが、平安時代から桐の木をくりぬいて、黒塗りにしたものを用いた。

 麻の葉 (あさのは)
六個の菱(ひし)形を一つにまとめて放射状とした単位模様ウィ順次続けた割付文様の一つ。各菱形に対角線を加えることから、葉脈のある植物の葉を想起し、とくに形態上の類似から麻の葉に見立てたもの。すでに平安時代には仏像に截金(きりかね)で装飾した文様に
多くの例がある。
江戸時代の染織文様として人気を得、絞り染めや小紋染めなど多様である。

衣冠(いかん)

下袴(したのはかま)、単(ひとえ)、指貫(さしぬき)、袍(ほう)に冠をつけた装束で、束帯の略称のこと。

粋(いき)

容姿や身なりが洗練されて、しゃれた色気をもっていることを意味し、江戸時代末期に発展した一種の美的観念をいう。また遊里に明るく、その遊びにも詳しく、万事にさばけていること(通<つう>)をも意味する。

生洗い(いけあらい)

汚れやしみをつけた場合に、いったんほどいて、薬品でシミ抜きをする作業のこと。

衣桁(いこう)

きものを掛ける和風の家具。呉服屋の陳列や展示用などに使われる。

居坐機(いざりばた)

地機、神代(じんだい)機、坐機、下(しも)機などともいわれ、日本や朝鮮で古くから使われてきた手織り機の一種。五世紀ごろ、中国から機織り技術が伝わり、弥生時代の原始機が、この機に転換した。越後縮(ちぢみ)や結城紬(ゆうきつむぎ)のほか、各地でわずかに使用されている。

居敷当(いしきあて)

和裁用語で、単(ひとえ)のきもののでん部の位置に、補強のために裏から縫い付けておく当て布のこと。

石摺り(いしずり)

紬や御召類の白記生地を色に染め、石の粗い面に当てて布面をこすると色がところどころはげてむらになる。これを文様として表したもの。

衣装(いしょう)

着物、衣服、被服と同意語であるが、形式の整った言う区、上等の衣服をさす。

お太鼓結び(おたいこむすび)

女帯の結び方の一種。江戸末期の文化14年(1817年)に江戸亀戸天神の太鼓橋再建にちなんで、それまでの路考結びを称するようになった。この結び目が引き解けぬように帯結めが用いられているのが特色。この結び方ができるまで帯は締めやすい繻子(しゅす)類の流行のため、引き解けやすくなっていた。そしてお太鼓結びの出現によってその簡単に引き解けてしまう欠点がなくなり、今日では帯締めは女帯に必要なものとなった。

おそふき

草鞋(わらじ)にかける、わらで俵編みにつくった爪掛(つまがけ)のこと。

小千谷縮(おぢやちぢみ)

新潟県小千谷市を中心につくられる縮麻で、越後縮ともいった。現在、小千谷縮は姿を消し、手紡糸手織りの重要無形文化財の商品とラミー糸の越後上布とある。

お対(おつい)

長着と羽織を同一の布地で仕立てること。

男仕立て(おとこじたて)

男性の専門家によって仕立てられたものをいう。違いは、あぐらをかき、足指の間に布をはさんで縫う点である。急ぎ仕事に大勢の人間が扱う際には適した方法である。

落し巾着(おとしきんちゃく)

巾着は腰下げ物の一種ですが、腰に下げないで巾着の紐を長くして首から掛けて懐に落しておくのをいう。

踊り手ぬぐい(おどりてぬぐい)

祭礼、盆踊りの際に用いる揃い手ぬぐいのことをい、また舞踊の際に用いるものもこれに属している。

踊り針(おどりばり)

針目が一定方向に向いていない不揃いな縫い目のこと。

 

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